Zero Complex
西兵道の静かな住宅街に位置するレストラン。
フレンチをベースにし、韓国の食材を使った創作料理を振る舞う「Zero Complex」
ソウルにZero Complexという名前のレストランがあると聞いたとき、正直少しだけ身構えた。
自己肯定や癒しを声高に語る場所なのだろうか、と。
でも実際に足を踏み入れてみると、その予想は静かに裏切られ、
削ぎ落とされた空間と、必要最低限の動線。
過度に語られる思想がないような。


内装はミニマルだが、冷たくはなく、
光の入り方や席の距離感、音の反響に大きな窓が飲印象的でどれもが計算されているのに、主張がない。
気づけば、こちらの肩から余計な力が抜けていた。
個人宅に来たようにリラックスする感覚に。


料理も素材は多くないものの、ひと口ごとに記憶が残る。
何かを足すのではなく、何かを引くのでもなく、
心地よい距離感の料理が素晴らしかった。
韓国のノンアルコール発酵茶がとても美味しかった。
爽やかな微発泡でスッキリとした酸味と、深みのあるお茶の香りが特徴的でありなが白ワインのような味わいだった。


オーストリアの白ワイン
“Martin & Anna Arndorfer
Grüner Veltliner”
青りんごや洋梨のような爽やかな果実感に、白胡椒を思わせるスパイスのニュアンスが重なり、香りは控えめながら輪郭がはっきりしていてかなり好み。


ブロッコリーのスティックは
見た目は極限まで削ぎ落とされてシンプルだが、
青味の強さ・火入れ・噛んだ時の密度が最初の一口として完璧だった。


スープは写真からもわかる通り器の静けさが印象的。
脂や旨味を受け止める準備をさせてくれる優しい味。


ビーフタルタル
カブのムースがタルタルを洗練させる。
肉感が強くなりすぎないバランスよかった。


イカといくらのタルト
記憶に残るほど見た目が美しい一皿。
タルトの中に甘いイカが。
本当に美味しかった。


ふわふわの自家製ブリオッシュとバターも
塩味の加減が好みだった。




鮑もプリプリでとても美味しかった。
季節の大根が、重くなりがち鮑とフォアグラのソースの組み合わせを調和し一瞬で食べれるほど。


サワラはトリュフやきのこ、そして季節のハーブ
を使ったソースが相性よく感じられた。


韓牛はやはり柔らかく
3種類のソースが甘み・コクを自然に足してくれ血た。
赤いソースは韓国らしくピリ辛。


栗のアイスも甘すぎず満腹でも食べられる美味しさ。


チョコケーキは食べると中からサクサクのごぼうが。
想像するよりかなりミニマルな味で新しい発見になった。


最後のフィナンシェまで美味しくいただけた。


ソウルには刺激的なレストランが数多くある。
コンセプトを前面に出す店や、トレンドを巧みにすくい上げる店。
その中でZero Complexは、驚くほど静かだった。
けれど、この静けさこそがこの店の強さなのだと思う。
Zero Complex。
その名前が、帰り際になってようやく腑に落ちた。
Information
Zero Complex
ソウル市龍山区西氷庫路59ギル11-8
https://www.instagram.com/zerocomplex_seoul/









