COMO Le Montrachet
フランスのブルゴーニュ地方。
世界最高峰の白ワインを生み出す村、ピュリニー・モンラッシェ。
この小さな村の中心に、COMO Le Montrachetは佇んでいた。




19世紀の伝統的なフランスの石造り建築をリノベーションし、モダンで洗練されたCOMOらしい空気をまとわせたミニマルな美学を融合させたこの空間は、まさに大人の隠れ家。
窓を開ければ、歴史を刻んだブドウ畑が広がり、遠くにはグラン・クリュの丘陵。
この地で造られるモンラッシェは世界中のワイン愛好家の憧れであり、ホテルから歩いて数分で名門ドメーヌを巡ることができる。


ロビーは、朝夕で表情が変わる光の設計が印象的。
淡いセージグリーンのソファに、花と陶器のグリーンを重ね、石床とラグで温度感を整える。
スタッフの距離感は控えめで、要所で心地よく一歩先回りしてくれた。


まずはこの地の空気を感じながら、中庭に面したテラスでウエルカムシャンパンをいただく。




アイアンワークのチェアと石造りの風景とが静かに共鳴し目の前には開放感のあるプールが。
この村の延長線上にあるテラス、そんな感じがした。


天井の梁とダクトをあえて見せ、低めの照度で陰影を作るラウンジ。
深いグリーンのベルベットチェアに腰かけると、会話の音量までが自然に整う。


バックバーにはグラスが美しく並び、白・赤・シャンパーニュの表情を最大限に引き出すセレクションが用意されている心地よい空間。


客室は天然素材と柔らかな色調で統一され、ラグジュアリーでありながら居心地の良い空間だった。
装飾を抑えた静けさの中に柔らかな質感を重ね、心拍がすっと落ち着く。




奥行きのあるソファとローテーブル、そして窓辺にはデスクとチェア。
自然光が入る時間帯は特に居心地がよい。


ベッドはトワル・ド・ジュイ調のヘッドボードとストライプのベッドスカートで、クラシックとモダンのバランスが軽やかで白いリネンの清潔感が心地よく、寝心地が良かった。


バスルームは小ぶりのモザイクタイルで統一されておりバスタブと独立感のある洗面台を配置で佇まいも香りも穏やか。


楽しみにしていたディナータイムは、石壁と大きな球体の照明に吸い込まれそうな印象的でエレガントなレストラン空間で。
お食事の全体的なトーンは軽やか・香り高い酸・輪郭のはっきりした旨味で統一されていた。




アミューズはサクッとほどける一口を中心に、柑橘やハーブで口中を整える序章。




そしてこのバターとふわふわのブレッドがまた美味しい。


みずみずしい酸とバジルの清涼感、見た目も爽やかなガスパチョ。
味覚のピントがぴったりと合う感覚。
おいしいの一言に尽きる。
ワインはドライな白ワインから。




サフランの香りとロックフィッシュのエマルジョンが全体の甘みを引き立て、皿全体のコントラストが飽きがちの魚料理も鮮明に美味しくいただけた。


柔らかく火入れされたお肉と夏野菜の甘みが層をつくり見た目よりも軽い肉料理。
赤ワインがすすむ。




フロマージュワゴンは地域色豊かに熟成違いを並べ、ニュアンスを比較しながら選べるのが楽しい。


後口が驚くほどクリーンな苺のデザートもとても美味しかった。




朝食はビュッフェ。
たくさんのフレッシュなフルーツとこだわりのパン、そして新鮮なミルクとクレープに大満足だった。








ブルゴーニュを深呼吸したい日に。
COMO Le Montrachetは、ブルゴーニュの本質を過不足なく伝えてくれる素敵な場所。


静かな村で歴史を重ねたブドウ畑の香りに包まれ、時がゆっくりと流れていくのを感じる。
時間を感じる度にこの場所がもっと好きになった。
Information
COMO Le Montrachet
10 place du Pasquier de la Fontaine Puligny-Montrachet
URL:https://www.comohotels.com/jp/france/como-le-montrachet