Saint Peter
シドニーで、ずっと訪れたかったレストラン。
Paddingtonに店を構えるSaint Peter。
Saint Peterは、シェフ Josh Niland によって生まれたシドニーを代表するシーフードレストラン。
世界的にも高く評価されており、魚の可能性を再定義したレストランとして知られている。




彼の料理の根底にあるのは、Whole Fishという考え方。
魚を単なる新鮮な食材として扱うのではなく、熟成や部位ごとの個性を引き出しながら、一尾を余すことなく使い切る。
美味しいシーフードレストランというよりも、魚という食材の見え方そのものを、少し変えてくれる場所だった。


店内は自然体で、肩肘を張ったラグジュアリーとは違い、淡い光、静かな空気感、余白のあるデザイン。
オーストラリアらしい軽やかさの中に、知性のある洗練がある。




最初はスープと魚の燻製の前菜。
魚の燻製は塩味や食感が細かく整えられていて、とても美味しかった。


特に記憶に残ったイカを麺のように仕立てた一皿。
ひと口目で、イカという認識が少し崩れる。
麺のようでありながら、確かにイカの甘みと質感が存在していて、不思議なほど静かに余韻が残る。


メインでいただいたのは、熟成されたマグロと野菜の一皿。
火入れは驚くほど繊細で、中心には静かな旨みが残る。
添えられた野菜もそれぞれが異なる食感や温度を持ちながら、一皿の中で静かにバランスを取っていた。
温度、熟成、食感、塩味の輪郭。
そうした細部を極端な精度で積み重ねることで、飽きずに食べてる美味しさだった。


ゆずのタルトは、酸味がシャープすぎず、軽やか。
香ばしいタルト生地とのバランスも心地よく、食後でも自然に食べ進められる。


最後のプティフールまで丁寧で、余韻を整える終わり方だった。


Josh Nilandの生み出す料理は、サステナビリティを押し出す空気ではなく、魚にはまだ価値が眠っているという純粋な探究心だった。
今回はランチのみの訪問。
次は、もう少し時間を預けるように、ディナーでこの空間を体験したい。
シドニーには素晴らしいレストランが数多くある。
その中でもSaint Peterは、レストランとして記憶に残っている。


Information
Saint Peter
161 Underwood St, Paddington NSW 2021 オーストラリア
https://www.saintpeter.com.au/









