Anantara Convento di Amalfi Grand Hotel
アマルフィの海岸線は、世界中の旅人を魅了し続ける特別な場所。
その断崖にひっそりと佇むAnantara Convento di Amalfi Grand Hotelは、まるで時が止まったかのような静謐さと、ラグジュアリーな滞在を両立させた唯一無二のホテルだった。
道から見えた入り口は、全貌が分からないミステリアスな空気をも纏い高揚した。


800年前に建てられた修道院を丁寧に修復し、歴史を受け継ぎながら現代的な快適さを加えた空間は、まさに神聖な隠れ家。
建物は13世紀に建てられたカプチン派修道院をリノベーションしたもので、
石造りの回廊やアーチ、礼拝堂など、当時の面影を残すディテールが随所に散りばめられていた。






それでいて全体のインテリアをはじめ、フロントはモダンかつスタイリッシュな空間で、静謐さと洗練されたデザインが共存していた。




そして屋上には、美しい地中海が一望でき、刻々と変わる海と空の色と滞在のすべての瞬間を絵画のように彩ってくれる場所があった。




客室は修道士たちがかつて過ごしていた部屋をベースに、ミニマルなデザインとなっていた。






テラスに続くアーチ型の扉を開けるともちろん一面の海が広がっている。


アマルフィは世界的に有名なレモンの産地でもあり、
客室やホテル内のあらゆる場所にレモンをモチーフとした物があり、南イタリアの空気が感じられた。




日が暮れた頃、海に沈んでいく夕陽を見ながらのアペリティフは素晴らしく、
ディナーもアラカルトを気分で選べてカジュアルに、そして陽気に、でもどこかアンニュイな気持ちでいただけるレストランだった。




メニューはアジアンテイストのものもいくつかあり、手打ちパスタもほうれん草のリゾットも味のセンスがとてもよい。








このランドスケープで飲む白ワインは格別で、食を五感で楽しめた。


海を見渡すテラス席でいただく朝食は本当に美しく、この朝食を、この空間でいただいたことが今回の滞在で1番心に残っている。
鮮やかなプレートに置かれたブレッドや、豊富なフルーツジュースはどれも魅力的で、
爽やかな海風とともに始まる1日が最高の幸せ。


断崖にせり出すように造られたインフィニティプールは、まさにこのホテルを象徴する存在。
水面と海が溶け合い、まるで地中海に浮かんでいるかのような感覚を味わえる。
時折水遊びに来る鳥たちが愛おしく思えた。


ホテルを一歩出ると、すぐそこは世界遺産の街アマルフィ。
歩いてもホテルから街までは10分程で、定期的にプライベートワゴンで送り迎えもしてくれるので街へのアクセスがとてもスムーズだった。
細い路地には可愛らしい雑貨店やレモンを使ったスイーツショップが並び、
広場では地元の人々がゆったりと会話を楽しんでいた。
歴史ある修道院が語る物語に耳を傾け、
海と空と建築が織りなす景色に心を委ねる。
アマルフィでの旅の滞在先として、このホテルを選んでよかった。


そしてやはり、
あの朝食を、あの空間でいただけた体験が何よりも私は好きだった。


Information
Anantara Convento di Amalfi Grand Hotel
Via Annunziatella, 46, Amalfi, Italy, 84011
+39 089 873 6711